「東京裁判を、21世紀に多くのアジア諸国が見直して、第2回東京裁判が開かれる。(中略)A級戦犯の七柱は、一転して全アジアの救世主となり、神として祀られる日がくるであろう。」
日本の思想家。1918年、東亜経済調査局・満鉄調査部に勤務し、1920年、拓殖大学教授を兼任する。
1926年、「特許植民会社制度研究」で法学博士の学位を受け、1938年、法政大学教授大陸部(専門部)部長となる。
その思想は、近代日本の西洋化に対決し、精神面では日本主義、内政面では社会主義もしくは統制経済、外交面ではアジア主義を唱道した。
戦後東京裁判では、西洋列強の植民地支配に反発しただけでなく、西洋近代文明の弊害について鋭い視点を持っていたことなどから民間人として唯一A戦犯で起訴された。
しかし、精神障害と診断され裁かれなかった。
経緯
東京帝国大学文科大学卒業。
マルクスを師と仰いでいた大川は、大学時代に宗教学を学んだことで、社会主義への疑問が芽生えてくるようになる。
卒業後、インドの独立運動を支援。ラース・ビハーリー・ボースやヘーラムバ・グプタを一時期自宅に匿うなど、インド独立運動に関わり、『印度に於ける國民的運動の現状及び其の由来』(1916年)を執筆。
日本が日英同盟を重視して、イギリス側に立つことを批判し、インドの現状を日本人に伝えるべく尽力した。
また、イスラム教に関心を示すなど、亜細亜主義の立場に立ち、研究や人的交流、人材育成につとめ、また、亜細亜の各地域に於ける独立運動や欧米列強の動向に関して『復興亜細亜の諸問題』(1922年)で欧米からのアジアの解放とともに、「日本改造」を訴えたり、ケマル・アタチュルクらのアジアの指導者の評伝集である『亜細亜建設者』(1941年)を執筆した。
ルドルフ・シュタイナーの社会三層化論を日本に紹介もしている(「三重国家論」として翻訳)。
一方、日本精神復興を唱えて源頼朝、上杉謙信らの評伝をまとめ『日本精神研究』(1924年)を執筆。
日本史を概観する書物として『日本二千六百年史』(1939年)を著す。同書は大ベストセラーとなるが、当時賊徒とみなされていた足利尊氏などを称賛するなどの内容があったため批判され、改訂を余儀なくされる。
日本で普通選挙運動が盛んだった頃、「日本改造」を実践する結社猶存社や、行地社、神武会を結成。
貴族院議員の徳川義親侯爵と親交が深く、徳川から金銭的援助を受けており、徳川は、大川やその他日本改造主義者たちの経済的パトロンであった。
三月事件・十月事件・血盟団事件など殆どの昭和維新に関与し、五・一五事件でも禁錮5年の有罪判決を受けて服役。
満州事変に際しては首謀者の一人板垣征四郎と親しく、満州国の建国を支持して在満邦人と満州人民を政治的横暴から救うという視点から「新国家が成立し、その国家と日本との間に、国防同盟ならびに経済同盟が結ばれることによって、国家は満州を救うとともに日本を救い、かつ支那をも救うことによって、東洋平和の実現に甚大なる貢献をなすであろう」と主張した。
北守南進を主張していたが、それはあくまでも「日支連携」を不可欠のものとしており、日支間の戦争を望むものではなかった。
支那事変が勃発時大川は獄中にあった。
大東亜戦争については、肥田春充とともに日米戦回避のため開戦前夜まで奔走した。
また、戦時中は大東亜省の大東亜共同宣言の作成にも携わった。東京裁判
戦後、民間人としては唯一A級戦犯の容疑で起訴された。
訴追の理由として「扇動的な書物を出版し、講演で変革を訴え、超国家主義的右翼団体を結成」「陸軍が合法的独立国家の中国から満州を奪取できるように、満州事変の陰謀をめぐらし計画」が挙げられている。
東京裁判には大川は水色のパジャマを着用し、素足に下駄を履いて出廷した。
開廷後、パジャマを脱ぎ始めたり、休廷中に前に座っている東條英機の頭を後ろから音がするほどの力で叩いたり、支離滅裂な言葉(東京裁判やアメリカなどを批判する言葉)を発した為、法廷内で失笑を誘った。
15分間の休廷中、オーストラリアのウェッブ裁判長は大川を精神異常と判断し、1947年、彼を正式に裁判から除外した。
入院中、以前より念願であったクルアーン全文の翻訳を完成する。
なお東京裁判終了後まもなく退院。
東京裁判で起訴された被告人の中では、裁判終了時に存命していて有罪にならなかった唯一の人物となった。
その後は、「瑞穂の国」を築く為の農村復興運動に取り組んだ。
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